オンラインライブは生ライブとは機能と価値が違ったのだ
未だに収束の見えないコロナ時代ですが、アーティストの世界にも大きな影響を与えているのは、みなさんもご存じかと思います。
ライブを行うこともできず、なかなか思うように活動のできない時期が続いています。
しかし、最近では、徐々にオンラインでの色々な取り組みが生み出されてきています。
そこで、オンラインライブという取り組みについて取り上げてみます。
今年の春前、東京ドームでのあるアーティストのライブに行きましたが、翌日からはコロナ感染拡大防止のためという理由で休演となってしまったのです。
その時は2日間の東京ドームでのライブ初日に行けて良かったなぁと思っていたのですが、もう去年のことのように感じます。
そのアーティストが、少し前にオンラインライブを開催しました。
やっぱりライブは生じゃないと!と思っていたのですが、オンラインライブを体験してみて、これはこれでいい!と感じた事もあり、生ライブとオンラインライブについてVE的に考えてみました。
私が体験したオンラインライブをベースに記してみたいと思います。
- 有料配信だけれども、ライブチケットよりも全然安い
- どこでも観れる、ベッドに寝ながらでも観れる
- 会場で米粒のようなアーティストを見るのではなく、どアップでアーティストのパフォーマンスを観ることができる
- 歌・演奏だけでなく、その他の色々なコンテンツを楽しむことができる。生ライブだけでは見れないアーティストの姿を楽しめる。
- 並行して色々なコンテンツが用意されていると、いつどれを見よう??と、自分なりの楽しみ方を考えることまでも楽しみになる
- 1日または半日楽しむことができる(ライブだと数時間)。アーカイブで何度も楽しめる。
私がオンラインライブは価値が高いなぁと感じた点ばかりを挙げましたが、逆に”やっぱり生ライブだよ!”と感じた点もあります。
- 音の迫力はやはり生で会場で体感する方が断然いい!
- どれだけアーティストが遠くに見えていようと、会場全体・アーティストとの一体感を感じる喜びが得られる
- 会場に来ている人たちに引っ張られて、気分も気持ちもさらに盛り上がる
- チケットを買った時点から楽しみが始まっていて、会場へ移動する間、ライブ中、ライブ帰り、ライブDVDを購入・鑑賞と、ライブ当日だけでなく、かなりの長い時間をワクワク感を持ち続けることができる
このように、生ライブとオンラインライブは、かなり異なっていて、比較するものでもなく別物と考える方が良いのかもしれません。
コロナ禍にあって、生ライブができないことの代替としてオンラインライブが盛んになってきました。
しかし、決して代替ではなく、全く別の機能を持ち合わせていることが分かります。
オンラインライブでは、音楽だけではないコンテンツを楽しむことができる点が、オンラインならではの仕組みだと思います。
1時間のトーク番組があったり、ロケ番組があったり、それらにはライブをしているアーティストだけでなくゲストも登場することもあります。
ファン参加でアーティストを含めたオンライン対戦ゲームをしたり、リアルタイムでSNSでのやり取りもできるといった楽しみを得ることもできます。
コロナ禍で密な状態を作り出せないことから生ライブがなかなか開催できなくなり、そこから、代替としてオンラインライブが多く開催されるようになりました。
しかし、決して代替ではなく、全く別物、生ライブとは異なった機能を達成するという価値が生み出されていたのです。
今後、生ライブもこれまでのように開催されるようになるのだと思いますが、それとは別で、オンラインライブというのも合わせて実施してもらいたいと感じました。
生ライブもオンラインライブも、《ファンに楽しみ・喜びを伝える》という大きな機能を達成していますが、その手段となる機能は全く別物で、今までには無かった手段でアーティストを楽しむことができるという新しい価値の創出でした。
オンラインライブは、「V = F / C」という単純式での価値ではなく、「V = Fx / Cx + Fy / Cy」という生ライブの価値とオンラインライブの価値の合わさったものなのですね。