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IT統制の評価にVEを適用した手法 – VEヨーロッパ大会

2016年4月26日~27日にドイツのミュンヘンでVEヨーロッパ大会(Value Management Practice 2016)が開催されました。

大会は、ドイツ技術者協会(VDI)、米国VE国際協会(SAVE)、そして欧州政府評議会(EGB)の共催でした。

大会には12ヶ国、約100名の参加がありました。

私の発表したタイトルは「A New Technique Applicable to the Assessment of IT Governance(IT統制の評価にVEを適用した手法)」です。

私自身の発表後は、パネルディスカッションに移り、参加者からも様々な質問を受けたり、活発な議論も行いました。

発表時の様子
発表後のパネルディスカッション

今回発表した内容は、COBIT(Control OBjectives for Information and related Technology)をベースにし、VEで分析することにより、企業内のIT統制を評価するための手法でした。

COBITとは、企業内の適切なIT統制や内部統制のためのフレームワーク(ベストプラクティス)のことです。

しかしながら、COBITはあくまでもフレームワークであって、統制のための項目と尺度はリスト化されているものの、自分の会社が達成すべき基準は提供されていません。
それぞれの企業が自らのIT戦略・IT方針に合わせて、各項目の達成度を定め、評価していかなければなりません。

実際にCOBITを導入しようとしてみても、「うちの会社はどこまで達成できていればいいの?」と行き詰まってしまうのです。

そこで私は、VEでCOBIT、IT部門運営を分析することによって、企業自らの手によって自社のIT統制を評価する手法を開発しました。

自社のIT戦略・IT方針に対して、IT統制状況がどうであるのか、IT統制をどのように改善すべきかが評価できる手法です。
これまで、外部のコンサルタント・専門家に依存していたことを、自らがコントロールできるようにしました。

【大会概要】

SAVE(米国VE協会)大会は、規模も大きいため複数のトラックに分かれてセッションが行われます。
ヨーロッパの大会は、規模の違いもあり1トラックで行われることが多く、今回の大会も1トラックに集まり開催されました。

また、海外の国際大会ではネットワーキングも重要視されています。
大会の前後や各セッションの間、各日のセッション後の時間を使って、各国からの参加者が交流できる時間を取れるような工夫がなされています。

2日間の大会後には、企業見学にも参加しました。
2社を訪問しました。

1社はドイツの自動車メーカー「MAN」社で、ドイツのトラック市場でのシェアは第2位の企業です。ここでは、トラックの生産ラインを見学することができました。私はIT業界で過ごしてきたこともあり、工場見学の機会はほとんどなかったため、とても興味深く見学しました。
日本の自動車メーカーの工場見学をしたことがないため、確かな比較はできないのですが、日本のメーカーはもっと優れているのでは?と感じる点も多かったです。

もう1社はブレーキシステムメーカー「クノール・ブレムゼ」社でした。
こちらでは、ランチを含め、試験センターや社屋の見学などをさせていただきました。

【その他】

今回は初めてのヨーロッパ国際大会への参加でした。SAVEで開催される国際大会と比べ、ネットワーキングするにはちょうど良い規模に感じました。
アメリカの場合、参加者も多いため、各々の参加者との会話も限定的でそれほど深い話にまで及ぶことも少ないのですが、今回の大会では、各々の参加者と様々な意見交換や議論を交わし交流を深めることができたと感じています。

今後も、アメリカ、ヨーロッパを中心に、世界のVEとの関わりを持ち続け、世界の情報・技術を得て、世界各国のVErとのネットワークも構築していきたいと考えています。

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