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企業のITプロジェクトにVEの手法を適用した事例とその効果 – SAVE-EUROPE カンファレンス

4月19日~20日にハンガリー・ブダペストで、SAVE-EUROPE カンファレンス(第6回SAVE国際協会欧州大会)が開催され、出席してきました。
カンファレンスは、ハンガリーVA協会(SHVA)・米国VE協会(SAVE)・欧州政府評議会(EGB)の3つの団体が主催し開催されました。

ちなみに、EGBは1992年に設立され、現在、10ヶ国(オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、イギリス)が参加しています。

カンファレンスは、参加国17ヶ国、参加者85名という規模で行われました。
参加者は主にヨーロッパの専門家でしたが、アメリカ、アジアからの参加者もあり、ヨーロッパに限られた大会ではなく、ワールドワイドな大会でした。
なお、私自身はVEの海外大会には3度目の参加でした。

大会参加者について驚いたのは、ハンガリーの学生の参加・発表もあったことです。
日本の大会で、学生による発表はまず見られることはありません。
日本においても、学生には是非VEの原理だけでも知っていただき、社会人になった後も活用できる思考方法を身につけてもらいたいと考えています。

日本でのVEは製造業・建設業において主に使われている手法であり、また”コスト低減”のための手法と思い違いをされ使われています。
別の機会にバリューエンジニアリングという手法について述べたいと思いますが、決して”コスト低減”だけの手法ではなく、効果を高める・価値を高めるための手法です。
20世紀の3大管理手法の1つでもあり、70年以上の歴史のある手法です。
しかも、「価値」というものに着目した手法は、バリューエンジニアリングしかありません。

前置きが長くなりましたが、今回のカンファレンスでは、「企業のITプロジェクトにVEの手法を適用した事例とその効果(the Cases of applying VE methods to enterprise IT projects and Effects)」というテーマで、ITプロジェクトへVEを適用した活動を、事例論文として発表してきました。

VEでは、FASTダイアグラムという手法で、改善対象を図式化し、分析・問題解決を行います。
今回の論文発表では、このFASTダイアグラムを元にして、ITプロジェクトの計画策定や、ユーザ要求の分析・管理に用いた事例を紹介しました。

ヨーロッパではインダストリー4.0の具体化事例も増えてきている背景があること、さらにITの領域へのVEの適用は世界的にも事例がほとんど存在しません。
このため、発表後には、ITの専門家がどのようにVEを取り扱っているのか、多くの質問や相談を受けました。
それだけ、この分野でのVE活用は世界的にも事例が少ないのだと感じました。

なお、今回のSAVE-EUROPEカンファレンスの内容は、日本バリュー・エンジニアリング協会の会報誌「バリュー・エンジニアリング」(2018年8月、302号)にも「2018年度欧州VE研究調査報告」として掲載していただいております。

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