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鉛筆という筆記具の価値

「長く使われているものには理由がある」

鉛筆もその一つだと感じています。

なにしろ軽い!
軽いということは、それだけ筆記時の負担が少なくなるわけです。

昨年、とある理由で、シャープペンシルを止め、鉛筆を使い始めました。長時間、多くの文書を書く必要があったのですが、あらゆるシャープペンシルを試してみたものの、手首の腱鞘炎がひどくなり、さらにはヒジにまで痛みは及んでしまいました。

元々、筆圧が強いこともあったので、筆圧を落とし、ペンの持ち方も工夫し、芯の濃さも太さもあらゆる組み合わせで試しました。
仕方がないので、手首と肘にテーピングとサポーターをして痛みに耐えながらひたすら書き続ける毎日でした。あまりにも痛くて書くこともままならない時は、整形外科で痛み止めを打ってもらっていたほどでした。

ところが、ある時、引出しにある鉛筆に目がとまりました。ずっと引出しに眠っており、視界に入ってはいたものの、使おうという意志が働いていませんでした。いつの頃からか記憶には無いのですが、シャープペンシルを使う事が当たり前になっていたことに気づいたのです。
そのふとした気づきが、
「鉛筆って軽いよなぁ」
「軽いってことは書く時の負担も少ないのか?」
という発想をもたらしてくれたのです。

VEの世界では、”固定観念”から逃れ、新しい視点でモノコトを見ることが求められます。

しかし、VEの世界に身を投じたにもかかわらず、その”固定観念”に縛られていたのです。
「書く時はシャープペンシル」と。
もちろん、ボールペンや万年筆などの筆記具もありますが、書き損じを消せる状態が求められる場合は、シャープペンシルという考え方になっていたのです。

試しに、鉛筆を使ってみると。。。
なんと軽いこと!!

痛くてたまらなかった手首や肘の痛みも、シャープペンシルを使う時よりも弱まることに気づきました。
それ以降、長く書き続けても手首や肘が痛まないため、鉛筆を使い始めました。次第に腱鞘炎も治まりました。

この時です、「長く使われているものには理由がある」のではないかと気づいたのは。
興味のある方は、シャープペンシルと鉛筆を持ち比べてみて下さい。
想像以上の鉛筆の軽さにビックリすると思います。

ただし、鉛筆にはデメリットもあります。
芯が丸くなってくるから、削らなきゃいけない。
つまり同じ鉛筆で長時間書き続けられない。
しかも、削っているうちに、短くなってくるので持つ時のバランスが変わってくる。

数時間で一気に文章を書く必要があったため、この鉛筆のデメリットには悩みました。
鉛筆を削っている時間さえもったいないという場面だったからです。

そこで取った解決策は、削らずに済むだけの本数を用意すれば良い!でした。
2ダースの鉛筆を購入し、先が丸くなってきたら、新しい鉛筆に持ち帰る、という対策を取ったのです。

シャープペンシルには、《芯替え時間を減らす》、《字の太さを揃える》というファンクションがあります。
その代わりに、《芯を出す》、《芯を入れる》、《芯を蓄える》といったファンクションを達成するための仕組みが必要になってくるのです。
この仕組みのために、《重さを生む》こととなり、《手首の負荷を上げる》ことになってしまうのです。

ファンクションという観点から見た時に、必ずしも”新しいものが良いとは限らない”、”便利なものが良いとは限らない”、ということが分かります。

シャープペンシルが登場しましたが、それが最適解とは限らないのです。
その時の使用者に依って変わってくるということです。

私の場合には、《長時間の筆記を行う》、《身体の負担を減らす》というファンクションを達成する方が望ましく、その手段が「鉛筆」だったということになります。
鉛筆の使用の方が、価値が高かったということです。

VEの世界では、常に、その時の使用者のファンクションを達成しなければなりません。
その達成の度合いが「価値(バリュー)」となります。

筆記具の話になりましたが、書く時の正しい姿勢も重要であることにも気づきました。
これにより、さらに《身体の負担を減らす》こともできたという、想定以上のファンクションも得られました。

また、体は連動しているため、手の動きだけではなく、脳の働きにも影響するはずなのでは?と考えたりもしましたが、科学的な知識を持ち合わせていないため、ただの私見です。
ただ、学生の頃に、試験・受験前に、ひたすら”書いて覚える”ということをされた方も多いかと思います。

こう考えてみると、今の子どもたちに本物を教えるのも良いのかもしれませんと感じました。

余談ですが、子どもの頃には高くて買ってもらえなかったHi-uniを3ダースという大人買いしたのは、ここだけの話です(笑)

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