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たい焼きと「価値」・「使用者優先の原則」

何十年も前から食べているたい焼きがあります。
といっても、しょっちゅう食べているわけではありませんが。

八王子にある「鯛八」というお店のたい焼きです。
ボリューム満点さで八王子名物とまで言われるくらいのたい焼き。
私自身もこのお店よりも美味しく、しっぽまであんこたっぷりなたい焼きは見たことがありません。

皮も厚くさらにあんこがぎっしり

久しぶりに食べた鯛八のたい焼きは、やはり美味しい!
しかし、随分大きくなった上に、あんこもたっぷりすぎになったような気が。。。
と思ったので聞いてみたところ、スキルが高くないと大きく焼くことができないのだそうで。

さらに、「大きい」、「あんこたっぷり」で知られるようになったため、それを強調する意図もあるのだとか。

このたい焼きを例にして、VEでの「価値」について考えてみます。

すごいあんこの量ですね

たい焼きにも、天然物・養殖物があるのはご存じでしたか?
1個ずつ焼くのが天然物、複数をまとめて焼いているのが養殖物と呼ばれています。
ちなみに、この鯛八のたい焼きは養殖物。

養殖物だからこそ生み出せる大きさなわけです。
1個ずつ焼く焼き器では、鯛のカタチをはみ出して焼くことができないからです。

鯛八のたい焼き1個170円。
この前、近所で見たたい焼き屋さんも1個170円で、あんこだけではなく、チーズやクリームなどが入ったたい焼きも売っていました。きれいに鯛のカタチに仕上がり、普通のたい焼き。

同じ金額ならやはり大きい方がいいですよね。
まさに、VEで言うところの、「価値」の差です。
同じコストならば、ファンクション(機能)の達成度の高い方(たい焼きの場合、大きさとあんこの量)が価値が高いということです。

ただ、大きすぎるのも、実は顧客の要求を満たしていない場合もあります。
大きすぎるため食べきれない、おやつのはずが夕飯食べられないくらいにお腹がいっぱいになってしまう、などということもあるでしょう。

現に、最近では2人で買いに来て、1個だけ買う人も多いようです。

VEでは「使用者優先の原則」というルールがあります。
常に、使用者(顧客)の要求を優先して思考するというルールです。
自分の好みや欲求のままに作り上げるのではなく、顧客の要求を満たしているからこそ、価値を感じてもらえるのです。

こう他人事のように書いていますが、この鯛八、実は私の母親が店主なのです(笑)
食べログのコメントを見てみたら、無愛想な店主とあんこたっぷりなたい焼き、というコメントばかりなのが笑えてしまいました。

数を忘れないように、焼き加減がどの程度か、次の焼きの準備等々に集中していて、お客さまと会話する余裕など無いようなのですが、人の目には(というより多くの人の目には)、無愛想という映り方をするのですね。
自分が人の目には、色々な映り方をしていて、それは周りで見ている人の感性次第で変わるため、コントロールできるものでもありません。
(ある程度のコントロールはできますが)

自分でコントロールできないことに注意を配分するよりも、どれだけ自分軸をブラさずにいられるかが、大事なことなのだと考えてます。

また、40年以上も休み無く、ただひたすら焼き続けるという姿勢に、毎日コツコツと積み上げることの大切さは、ここで学んできたのかもしれないと感じました。

感謝。

ごちそうさまでした。

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