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「リーンスタートアップによる事業デザイン」セミナーへ参加

昨年度より、バリューエンジニアリング協会において「マネジメント部会」という部会に参加しています。

この部会では、新事業開発に適用するためのVE手法を研究しています。

部会での研究の一環として「リーンスタートアップによる事業デザイン」というワークショップに参加してきました。

リーンスタートアップ自体は、書籍やインターネットで学んで知ってはいたものの、実際にワークをしたことはなかったので、ワークショップ形式のセミナーに参加して体験することにしたのです。

VEとリーンスタートアップの手法の成り立ちも歴史も全く異なりますが、「いかに顧客の要望を引き出し、問題・課題を定義して、それを解決する案を作り出すか」という点において、手法としてはVEの原理・原則と同様であると感じました。

単純に目的を同じとした手法ではないのですが、あえて手法として見て比較した場合、VEでは10の実施手順が定められており、各々の手順の目的や進め方が定められており、実施手順従って進めれば創造的な解決案を創出できるものとなっています。

一方、リーンスタートアップでも手順は定められておりますが、各手順がチームメンバーの主観に依るところが多いように感じました。

一番の大きな違いは、リーンスタートアップでは、とにかくビジネスアイデアのプロトタイプをアジャイルすることに重点が置かれている点です。
ビジネスモデル案が出来上がったら、すぐにプロトタイピングし、ユーザーのフィードバックを得て、さらに案を練り込むという繰り返しを、いかに早くサイクルさせるかをポイントにしています。

VEでは、手戻りのないように、要所要所においてバリューレビューと呼ばれる評価が行われます。評価手法にも色々な手法が存在しており、対象としているテーマやプロジェクト方針に応じて使い分けて評価します。

こういった違いは、システム開発でいうと、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いに似ています。

システム開発では、ウォータフォールが適する場合とアジャイル開発が適する場合がありますし、開発する対象によっても向き・不向きがあります。
ここ最近では、メディアを中心に、アジャイル開発を採用すべき、といった風潮が見られます。

間違いだとも言い切れないのですが、なんでもかんでもアジャイル開発すれば良いというものではありません。
今では良く目にするキーワードでもあるため、企業の部門管理者や経営者の方は、アジャイルを採用すべしと思い込まれていることも多いです。

新事業開発に適用するVEに、リーンスタートアップに見られるようなアジャイルな要素を組み合わせることができると良いのですが、これからの部会活動の中で検討をしていきたいと思います。

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