「モノ・コト・ヒトの価値を高めるVE 」VE阪神セミナー
「モノ・コト・ヒトの価値を高めるVE」をテーマとした、VE阪神セミナーに参加してきました。
VE協会 西日本支部が主催するイベントだったのですが、”セミナー”という名称の企画だったため、スモールなイベントだろうという予想に反し参加者がかなり多くビックリしました。
東京以外で開催される国内のVE関連イベントに、参加するのは初めてのことでした。
意外と知っている方が何人もいらして、いつも東京で会っていたのに、大阪で会うのが不思議な気持ちになりました。
心地よいアウェイ感とでもいうのでしょうか、彼らがいつも活動している場所で出くわすと、離れた場所に来ているのだという気持ちが高まったのは予想外の感情でした。
さて、「VE阪神セミナー」の内容と、私の所感です。
午前中には、「VEアップグレードミーティング」として、VEを活用されている企業の方を中心に意見交換会が開かれました。
20人ほど限定の意見交換会だったのですが、あらかじめ参加者が伝えた質問に、西日本支部の専門家8名ほどが回答していく形式でした。
質問内容は、企業内にうまく導入できていない、どう導入して良いのか分からない、といった、VE未導入の方からの質問が多くありました。
東日本(東京)でのセミナーや大会では、未導入もしくは定着化できていない企業の方と接することが少ないです。この点は集客の仕方の違いなのか、地域性の違いなのか、またはその他の要因なのかまでは掴む事はできませんでした。
内容に対する私個人の意見としては、教科書的かつ大企業への導入といった立ち位置での回答が多いと感じたことと、協会でワーキンググループやってるから協会の活動に参加しなよ、そこでみんなで相談乗るし一緒に考えるよ、といった呼び水的な場に感じたのが残念でした。
私自身からは、西日本支部の方々が、中小企業へのVE導入にあたり、どのような工夫をしているのかを問いかけ議論しました。
結局のところ、目新しいアイデアには出会えず、先程のような立ち位置からの意見とのすれ違いに終わってしまったことが期待外れでした。
1時間半ほどの意見交換会だったのですが、もっと時間を取って質疑応答できると良い場が作れるのかもしれません。
何か企画して困っている人の役に立てる場を作れるのかとも感じました。
また、議論を交わす中で感じたこととして、言語化できないのですが、VEの捉え方・考え方について、東京では感じない相違感があったことです。
同じ日本の中でも、大きくは東日本・西日本と分かれて日常の活動が進められているため、ベースラインが異なっているのかもしれません。
午後には、6つのセッションがあり、そのうち4つが事例発表でした。
今回私が注目していたのは、「問題反転機能系統図の研究報告」、「ソフトVEを活用した働き方改革」、「データ分析を分析で終わらせず会社を変えるには」というセッションです。
残念ながら私にとっては価値の低い場でした。
投入したリソース(時間、参加費、交通費)に対して、達成できた機能(ファンクション)が少なかったということです。
イベント告知の内容からは分からなかったのですが、VEの専門家向けというよりも、普及・活性化に力点が置かれた内容であった印象です。
それでも注目していたセッションからは、何かしらの学びが得られると期待はしていたのですが。
始発の便で出かけ、最終便で帰ってくるというのも久しぶりでした。
また、これは東日本・西日本に限らず日本のVE界に言えることなのですが、あまりに世界標準とかけ離れてしまっていることも強く感じました。
私自身は、国内だけでなく世界でも評価されている横田尚哉先生に師事し、VE(FA)を学んできました。
そこでは、日本はもちろんのこと、世界でも通用する知識・スキルを深めてきました。
この出会いがなければ、私自身もガラパゴスに取り残されたままになっていたでしょう。
世界標準と異なることがダメだという訳ではありません。
世界標準を知らずして、日本国内だけにしか目が向いていないことが問題だと考えているのです。
数年前から世界標準が進化しています。
専門家でありながら、進化前のこともほとんど知らず、どういう方向に向かっているのかにも全く関心の無い専門家が多いことが深刻な問題なのです。
確信を持って独自の進化をしていく舵を取るのであれば、それも良いと思います。
しかし、進化するには、目的・理由があります。
世界標準が進化しているのには、進化のファンクション(機能)があるからです。
少々、批判めいた言葉が多くなっているように見えてしまいますね。
批判のつもりはなく、どうしたら、この素晴らしい手法をより多くの人に役立ててもらえるのだろうという気持ちが強いのです。
専門家として、あらゆることに精通している必要があると考えています。
以前の記事で「ガラVE(ガラべ)」などと呼んでいた事にならないよう、これからも様々な困難に苦しむ企業・人々のチカラになれるよう、私自身をもチカラ化して進化していきます。