【イベントレポート】SAJ2020(スポーツアナリティクスジャパン)-日本スポーツアナリスト協会
2/1(土)、JSAA(日本スポーツアナリスト協会)の主催で、6年目となるSAJ2020が開催されました。
今年のSAJ2020のテーマは「これからの10年をハックしよう」というものでした。
2019年〜2021年は、ゴールデンスポーツイヤーズとも呼ばれており、特に2020年はその中核になる年に位置づけられています。
高齢化社会、人材不足に伴うAI・ロボット技術の浸透、外国人労働者の増加、2025年 大阪万博、そして2030年にはSDGsが目標に置かれています。
これからの10年に大きな社会変革を迎えようとしていて、そのような時代において、スポーツの価値が大きな可能性を秘めている、というのが今回のテーマの根幹にあります。
ところで、「日本スポーツアナリスト協会主催」と書くととても硬く聞こえますが、先進的でスタイリッシュなイベントです。
学会的なイベントではなく、理論はベースにあるのだけれども、どのセッションもリアリズムな内容のイベントです。
どのセッションも、パネルディスカッション形式で、台本通り感もなくライブ感があり、より一層、盛り上がります。
また、学生の参加が多いのも特徴的です。
春からスポーツ用品メーカーに就職するという、関西から自費参加の学生さんと、ちょっとした会話の場を得ることもできました。
就職先がスポーツ関係だとはいえ、その熱心さ、頼もしさ、意気込みに感心してしまいました。
こちらから聞いているばかりでなく、私の仕事についても興味を持って質問を投げかけてくれ、学生には分かりづらいであろう内容にも一生懸命理解しようとする姿勢が嬉しく感じました。
このイベントでの特徴なのですが、1つのセッションが終わると、それが1枚のイラストにまとめられて貼り出されます。
単なるスライドの配布ではないため、スライドには書かれていなかったり、パネルディスカッションで話された内容などもキャッチアップしやすい仕掛けです。
また、同時に3トラックのセッションがあるため、聞けなかった他のセッションのあらましも知ることができるのは、主催側として《提供情報を増やす》ことで、参加者の満足感を高める仕組みとして効果的だと感じました。
セッションでは、北島康介氏や松田丈志氏などのメダリストや、岡田武史氏、スポーツ好きで知られる芸人のこにわ氏などや、学術界や企業からもスポーツアナリティクスの分野の専門家が集まり、多様な話が飛び交いました。
松岡修造さんのモノマネで有名な芸人のこにわさんはパネルディスカッションのパネラーとして登壇されていました。
ただモノマネしているだけでなく、テニスや解説というもの、そのものもとても研究・調査されていることを、聞いているだけでも分かるほどでした。
そもそもは、SAJにも、自分がスポーツ好きで参加されていたようです。
SAJで知った知識を活かしたネタがキッカケで、今回のパネラーのオファーに至ったのだとか。
ご縁て面白ものですね。そして、好きなことはとことん突っ込むからこそ、より面白くなってくるのだなとも感じました。
今回のSAJ2020では、ITの専門家でもある私でさえ、こんな小さなところに、ここまでの技術が入り込んでいるのか!と感動することも多く、ここ1,2年の技術進歩はものすごい速さで進んでいます。
ただ、まだ、誰もが・どのチームもが手に入れるのは、経済的にも人的にも難しい段階です。
数年前から誕生していた技術が、現場での検証・実証が済んだような段階にあります。
一気に現場への浸透が始まり、まさに、2020年を中核にして変革していくであろうと考えます。
「スポーツ」と言っても、先ほど述べたようにステークホルダーや視点がたくさんあります。
しかし、あっという間に、スポーツを「観る側」、「する側」、「支える側」の全ての関係者に対する大きなイノベーションが起きるであろうという点も確信をしました。
“スポーツアナリティクス”という分野を中心としたイベントでしたが、新年早々、しかもポルトガルからの帰国翌日に、さらなる刺激を得ることができました。
ちなみに私が個人的に1番楽しかったのは、全然触れませんでしたが、「VR〜月面オリンピック」でした(笑
VR/ARなどの技術もまだまだ想像もしていないくらいの進歩をすると思います。
そんな中で、ワクワクとした毎日を送っていたら楽しいですね!
私はバリューエンジニアリング(VE)の専門家でもありますが、2つのことを考えていました。
1つは、”スポーツアナリティクス x VE”で、これは面白いことができそうだ!という感触のあるヒントを得たことです。
早速、今年の研究論文のテーマのどこかで取り上げようと計画を見直し始めました。
2つ目は、特に日本のVE界にも、このような次世代に向けたアクションが必要だと、痛切に感じました。
何十年も変わらない本を”教科書”にして変化のないままではダメだ!と考える人は、VE協会員にも多くいます。
ただ、結局は言うだけで行動する人がいない。
今年は日本VE界を変えていくための活動にも、積極的にアプローチしていこうと思います。